2012-11-23から1日間の記事一覧

ルネ・シェレール『ノマドのユートピア』(杉村昌昭訳、松籟社、1998年)2

「ユートピアというものは未来に照らして活用変化するものではない。それは実現するべき何らかの理想に導かれた予測のなかにあるのではない。そして、ユートピアの思想は「可能か不可能か」といった言葉づかいをするものではないけれども、あえていうなら、…

ルネ・シェレール『ノマドのユートピア』(杉村昌昭訳、松籟社、1998年)1

・ユートピアの規定、イマジネーション、イメージとの関連について「ルイ・マランにならって、「ユートピア」は単なる知性の産物としての「概念の次元に属するものではなく」、「イマジネーション」の次元に属するものである、といっておきたい。この著者〔…

ルネ・シェレール『ノマドのユートピア』(杉村昌昭訳、松籟社、1998年)3

「〔ギイ・オッカンゲムの小説『浮き彫りの愛』に関して〕この能動的なユートピアは単にイメージを現実のなかにはめ込むことで充足しているのではない。そうではなくて、ここでは、ユートピアは現実のまっただなかに入り込み、現実を挑発し、現実の確かさを…