菊竹清訓「海洋都市」(川添登編『メタボリズム1960』所収、美術出版社、1960年、6-39ページ))

「都市の混乱と麻痺が、そして建築の矛盾と停滞が、提案させるのだ」

「1958年、都市住居に焦点をしぼり、翌年1月「搭状都市」としてまとめ、・・・中略・・・同年2月、数年前から検討を加えてきた浮かぶ都市、動く建築の可能性を「海上都市」として提案したのである。この2つの都市デザインへの提案と、その空間の基本的な方向を展開させ、われわれはいま新しい都市「うなばら」を提案しようとするのである。
この都市を、海洋都市として新しい都市秩序をもち、自由に生成発展していく人間社会にもっともよく適応するような人間の都市として提案したい」10



塔状都市について

*現在の都市=水平都市⇔塔状都市+海上都市

「都市のデザインは、明日のものでなければならない。明日への意欲と発想に始まるのでなければならないであろう。
都市のこれまでの諸問題は、明日のために整理され、準備されねばならないが、明日を束縛するものであってはならないであろう」12

「東京という尨大な規模の都市は、病み疲れている。唯マンモス化して、都市としてのコントロールを失っているばかりではない。この都市に住む800万人の人間の順応性に頼って、病んでいる事実を覆い隠し、正当づけようとさえしているのである」12