人文地理学

パトリシア・モルトン『パリ植民地博覧会——オリエンタリズムの欲望と表象』、長谷川章訳、ブリュッケ、2002年の一節

建築と主体、文化との関係についての、19世紀の人文地理学のまなざし(主にポール・ヴィタル・デ・ラ・ブラックなど)

「ヨーロッパとそれ以外の地域との差異を記録し分類する学問の数々(民族学社会学、人類学、地理学等)のなかで、人文地理学は建築というものを進化論的なヒエラルキーを決定する重要な要素と位置づけた」172


「人文地理学にとって、建築は二つの有益な指標となっている。一つは人々の<生活様式>に認められる環境と人間との相互影響の度合いを計る指標であり、もう一つは異なった人間のグループ間の進化の度合いを比較して計るための指標である」173


*社会は、その社会の人種的特徴と社会を取り巻く<環境>との相互関係のもとで発展

*文明社会=その社会形態や生活様式が独自に自然環境へと適応した結果、生じる


建築は、それを含む当の社会環境・自然環境に反応する人間の文明度=進化度を測定する標し=表象となる

パリ植民地博覧会―オリエンタリズムの欲望と表象

パリ植民地博覧会―オリエンタリズムの欲望と表象